そして着いた先は―――――…
ガチャ
「うわぁ…懐かしい…」
思わず溜め息が漏れる。
そう。
ここは、
「久しぶりに来るけど、何も変わってないね。」
野球部の部室。
私たちの、思い出の場所。
「とりあえず座ろっか。」
私の促しに、琢斗も無言で腰をおろす。
ちょっぴり汗と埃くさいけど、私にはなんだか落ち着く空間。
私がここに来たいと言ったのには、2つの理由があった。
ひとつは、もう一度ここに来たかったから。やっぱりどこか未練があったのかもしれない。
そしてもうひとつは…
「琢斗。」
真っ直ぐ琢斗を見つめる。
自分でここに来たいと言ったのに、いざ密室に二人は緊張する。
でも。
もう少し、
もう少しだけ、琢斗と一緒にいたい。
だからあなたの時間をあと少しだけ、私にくれない―――?

