最初は無言で一緒に歩いてくれていた琢斗だけど、さすがに途中で見かねたのか
「そんなに怖いなら、捕まってろ。」
そう言って腕を出してくれる。
予想外の琢斗の行動に驚いたけど、
『…ほんとに、カップルみたい。』
理不尽ながら、心の中でそう思う。
手を繋ぎたい気持ちはある。
でもそんなことしたら、私は自分の気持ちを抑えられる自信がないよ…
だから私は、代わりに琢斗の服の袖をギュッと摘む。
「…ありがと。」
緊張で手に汗をかいていたから、袖を濡らしたらどうしようとか、引っ張りすぎて袖が伸びてしまったらどうしようとか、そんな余計なことが頭を掠めて思わず摘む力が弱々しくなってしまう。
それでも、琢斗。
今までより近くに、キミを感じることができたよ。
シャツの袖から、かすかな汗と柔軟剤の匂い。
なんかもう、お化け屋敷のドキドキなんて吹っ飛んでしまって、それからずっと琢斗へのドキドキで頭が真っ白だった。

