なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?



準備を終え教室に着くと、琢斗は既に制服に着替えて私を待っていた。


人を待たせることはしない、それが琢斗だ。




「ごめんね。待たせちゃったよね…」


慌てて琢斗の元へ走っていくと


「気にすんな。男は女と違って準備も脱ぐのもすぐだから。」


琢斗は何事もなかったかのように言って、自然の流れで歩きだす。


歩幅の大きい琢斗に置いていかれないように、私は小走りで琢斗を追いかけた。



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「うわぁ……」


私は思わず目を輝かせる。


学祭はもう三年目なのに、毎年毎年新鮮な気持ちで見れるのはなんでだろう。


特に今年は、例年にも増して期待とワクワクで飛び跳ねてしまいそうになる。




それは、高校最後の学祭だから?


それとも、琢斗と2人だから…?











沢山の模擬店。


演劇部や合唱部、吹奏楽部の発表。


バンド演奏。


その中でも私が興味を惹かれたもの。




それは…




隣のクラスでやっている、お化け屋敷だった。











「えーん。怖かったぁ〜」


「あの程度で怖いとか、お前はしょうがないなぁ…」


カップルで入って、怖がる彼女を宥めている彼氏。




ベタ過ぎるシチュエーションだけど、それでも好きな人と同じ時間を共有できているみんなが羨ましかった。




私も入りたいなぁ…なんて思いつつ隣の琢斗を横目で見るけど、私は琢斗に遠慮してしまい、何も言えない。




私にせめて、さっきの彼女の半分くらいの可愛いげがあればいいのに…