琢斗と別れた後、俺は虚しさでいっぱいだった。
ほんとは、夢乃の時間を独り占めしたいよ。
でも、そんなこと言える資格が俺にはない。
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「おかえり。」
教室の前では、なぜか亜子が俺のことを待っていた。
「夢乃と、琢斗に会ったんでしょ?」
その場にいたわけじゃないのに、全部知っているような口調で言う。
こいつには何でもお見通しだ。嘘もつけないし、かっこもつかない。
「なぁ、亜子。」
「ん?」
「俺さ、明後日夢乃に言うよ。自分の気持ち。たぶんふられるから、そん時は慰めてよ。」
俺は珍しく弱音をはく。亜子はそんな俺を見て
「私はそんな弱いヨウの方が、人間っぽくて好きだけどね。」
「夢乃の前でも、かっこつけずにそうやってぶつかってくれば?」
そして
『頑張れ』俺にそう言って、胸にパンチしてきた。

