凄く、悔しかったんだ。琢斗がお前の様子に気づいていたこと。
いつも俺はお前を見てたはずなのに、俺は一体お前の何を見てたんだろうな…
「うーん…」
夢乃のそんな声を聞いて思わず、起きてしまったのかとビクビクしたけど…寝返りをうっただけだと気づいてホッとした。
再び、夢乃の顔を覗きこむ。
嫌な夢でも見てるのかな。相変わらず汗びっしょりで、どこか難しそうな顔…
最近、お前の笑顔を見ていない気がする。
そんな顔をさせてるのは、琢斗?それとも俺…?
コツコツ…
足音が近づいてきて、俺は慌てた。
やましいことがあるわけじゃないのに
いや、やましい気持ちがないなんて嘘になる。
本当なら、こうしていつまでも夢乃のそばにいたい。
本当なら、あの時琢斗の背中から夢乃を引き離したかった。
本当なら、今すぐにでも抱きしめて俺から離れないようにこいつをつなぎとめておきたい。
でも、俺にはそんなことできないから
だからせめて…

