だから、俺は知ってる。



夢乃の視線の先




気づけばいつもあいつがいることを。




練習が終わっても、一人残って黙々と練習している野球バカに




夢乃は惚れたんだ。








好きだよ。




でも同じくらい俺は、あいつのことも好きなんだ。




だから俺は、嘘の仮面を被って女たちに笑顔を振りまく。




俺のこの気持ちが、


誰にもバレないように。