アイツに追いついたと思った時にはもう、アイツに手をのばしてた。

俺に掴まれてバランスを崩したのか、俺の袖に掴まって見上げてきた。



顏を見て驚いた。


すっっっげーーー泣いてをだもん!


どうしたらいいかわかりなくなって、咄嗟にからかってみたんだ。

「なに、そんなに俺に会いたかった?笑」

違うって、笑うかな、って…


でも、返ってきたのはそんな言葉じゃなくて、

『輝~!うぅ、ぅえ!こ、怖かった~』


そういって、俺に抱きついてきたほたるは、いつもの陽気なほたるとはちがって…


どうするべきかわからずに、抱き締めてみた。

というか、抱き締めなくちゃ、って思ったんだ。