「で、白居真人の方はどうなの?」
関口先生はやっぱり直球だ。
「どうって?」
琴はキョドりながらホットミルクをゴクゴク飲む。
「そんなに例の先生が忘れられないの?」
「それが…」
「それが?」
「今は…白居先生より白居くんの方が気になっちゃうんです…」
恥ずかしそうにうつむきながら話す琴。
「あら」
嬉しそうな声をだす関口先生。
「でも、それって…結局私は白居先生を心から好きじゃなかったってことなんですかね?」
「白居くんがその先生に勝ったてことじゃない」
「人の気持ちって、そんなに簡単に変わるものなんですか?」
「だって、変わったんでしょ?」
「…なんか、罪悪感」
「あんた難しく考えすぎよ。ずっと想ってた先生に悪いって思うのは分かるけど、未来があるのは白居くんなのよ」
そう…それは分かってる
白居先生はもういない人なの…
想っても無駄なの…
だけど
「白居くんて、少し白居先生に似てるんですよね」

