白い吐息

部屋の角に座る真人。
じっと片付けをする琴の姿を見ていた。

「先生、パジャマなんだね」

「はっ?!」

「可愛い…」

ニコニコする真人。

琴はまた真っ赤になって、真人をにらむ。

「何で家がわかったの?」

ぶしつけに聞いた。

「調べた」

笑顔のまま答える真人。
まるで悪気がないようだ。

「…携帯の番号も?」

琴の頬が膨れる。

「うん」

真人の軽い返事に琴はため息をついた。
そして少し考える。

「調べたって、どうやって調べたのよ!」

それが一番重要だった。

琴は真人の前に座って、彼の両腕を掴むと真剣に目を見た。

「教えない」

わざと目をそらす真人。

「……」

琴は彼の頭をグイっとひねり、無理矢理目を合わせる。

「イテっ」

「白居くん…それはストーカーよ」

「そーかもね」

「犯罪よ!」

強く言い切る琴に、さっきまで笑顔だった真人がふてくされた。

「どうやって調べたのか、ちゃんと教えて」

琴はこれでも教師である。
ただで聞き流す訳にはいかなかった。
が……


「キスしてくれたら教えてあげる」

真人はスッと琴の身体に手を伸ばし、勢いよく彼女を抱きよせた。