白い吐息


潤んだ優しい瞳。
長いまつ毛。
すじの通った鼻。
ふっくらとした唇。
赤茶けた髪の毛。
凛とした美しい顔立ち。

人を笑わせることが得意でいつもクラスの人気者だった。
何度か女子から告白されてるのを知っている。

でも……

「誰かと付き合ってる様子はなかったよね…」

プライベートな部分は一切見せなかった。
不思議な人だった。

「白居くんに似てるかも…」

琴は写真の先生を見つめながら呟いた。

そして急に我に返ってブンブンと首を横に振った。

「似てない!似てない!」

ひとりで動揺する琴。

「名前が同じだから錯覚してるだけよ…もぅ…面倒くさいな」

そう言ってクッションに顔を埋める。