白い吐息

関口先生の発言に、元気に回復した琴が照れ笑いする。

「だって、王子のキスで目覚めるなんて、さすがあんただわ」


それは琴が退院する日の朝だった。


「それから何か話したの?」

「…白居先生の話と森下先生の話かな?」


「なにそれ。シケてるわね。もっとラブラブすれば良かったのに」

関口先生が詰まらなそうな顔をした。


「だって…一応別れたままだし」


「アホらしい」

関口先生はいつもの調子で琴を可愛がっていた。



「でも、あれから真人来ないし…」


「そうなの?」


「はい…」


「彼は彼で、きっと責任感じてるのよ。来週の誕生日会は来れる?あなたの快気祝いを兼ねるために延ばしたんだから」


「それは勿論出席します」

「…ホント、元気になってくれて良かった」

関口先生はいつものように温かく笑った。


両親の迎えに来た車で家に帰る琴。
退院祝いの花束を沢山抱えて後部座席に寝転んだ。


「何してるの琴?」

後ろを見てクスクス笑う母。

「生きてるって、幸せだね」

その言葉に運転している父も少し涙ぐんだ。










「父さん…」

真人は目を丸くした。