消えてしまえばいい…





僕の足は自然に小学校へと向かっていた。



無意識のうちに外階段から屋上へ上った。




ここで、色んな話をしたな…


もっと沢山話せば良かった…



聞きたいことも沢山あったのに…



真人さん…



あなたがお兄さんで、僕は嬉しかった…



でも

真人さんは迷惑だったかな…



携帯電話をポケットから取出し、待ち受け画面を眺めた。


「さよなら…言わなきゃ…」


笑顔で映した懐かしい家族写真を見ながら、僕はそうつぶやいた。


夕焼けが眩しい。
でも、こんなに寒くなった。

あの人と出会って、いつの間にか時は足早に過ぎていったんだ。



電話帳から白居真人の名前を探す。
そして、通話ボタンを押した。





「「もしもし?」」

真人さんの声。



会いたくなった。
助けて欲しかった。



「さよならを…言わせてください」

それだけ告げて、僕は携帯の電源を切った。



助けてよ…


涙が零れた。



助けてよ…



悲しいよ…



苦しいよ…





さよならなんて…
ホントは嫌なんだ…



でも…



僕は…