白い吐息

改札を出て、ため息をつく琴。

まさか、同じ駅だったとはね…
この間は何で気付かなかったんだろう?

夢中…だったのかな…

それとも…



事故現場は駅から少し遠い為、琴はタクシーに乗り込んだ。

「この住所までお願いします」

運転手にメモを差し出す琴。

事故現場は住宅街のため、目印にする建物がなかった。

静かに目をつぶり、シートにもたれる琴。













『メリークリスマス!』

『えっ?』

『せっかくクリスマスなんだし、今日くらい勉強休んでもいいだろ』

『すごい…この電飾、先生がしたの?』

『可愛いだろ!』

『似合わなーい』

『笑うなよ。必死こいて頑張ったのに』

『だから、その姿を想像すると笑っちゃう』

『なんだよ…』

『ごめんなさい。…私もね、実はクッキー焼いてきたんだ』

『琴子が?』

『ほら、星の形なの』

『…ヒトデにも見えるな』

『酷いー!せっかく愛情込めたのに!』

『…愛情、入ってるの?』

『ふっ…深い意味はないですよ!料理は愛情ですから』

『ふ〜ん』

『…////』

『オレも持ってきたよ…』

『…?』

『売り切れてて、束に出来なかったけど、ほら』