『そうか。興味なしか』
『あなたは?』
『興味?』
『クリスマスの予定』
『…彼女とデート』
『…っあの、生徒の…ですか?』
『ビンゴ』
『そうなんだ…』
『彼女ってのもデートって言い方も嘘だけどね』
『えっ?』
『クリスマスの日は終業式だから、部室でお勉強』
『なんだ、やっぱり勉強なんだ…』
『でもサプライズ用意しようと思う』
『サプライズ?』
『ケーキと花束、女だったらどっちが喜ぶと思う?』
『…ん〜。…ケ……花束かな?』
『じゃあ花にしよう』
『プレゼントするの?』
『さり気なく飾っておくだけだよ…』
あなたは
何の花を選んだんだろう?
こんな
寒い季節に…
「いらっしゃいませ。お兄さん何かお探し?」
花屋のおばさんが優しく話し掛けてきた。
「お墓に供える花を…」
「かしこまり。2000円のでいいかい?」
「はい…」
冬の花は鳴いていそうだ
冷たい水に浸されて
冷たい空を見上げる
まるで、あの頃のオレのように…
あの人に出会わなければ
オレはきっとこの世にいない……
でも…

