白い吐息


『…じゃあ…お願いします…』

『琴子はPureで可愛い。琴子は素直で可愛い。琴子は優しくて可愛い…』

『もっ…もういいです!』

『どうした?』

『可愛い可愛いって、嘘ばっかじゃん!////』

『嘘じゃないよ』







嘘だよ…

罪だよ先生…












「…また、見ちゃった」

独り言を呟いて、琴は目を覚ました。
ふと肩がスースーするような気がして横を見る。

「真人…?」

いつも隣にあったはずの温もりがない。

トイレかな…?

琴は毛布を身体に巻いて立ち上がろうとした。
するとガラステーブルの上の紙キレに目が止まる。
メモ書きされたその紙を手に取る琴。

゙用事があるので、
出かけてきまず

「用事?」

時計の針は9時を指していた。

もうこんな時間か…

頭を支える琴。
最近、例の夢のせいで安眠出来ていないせいか身体がだるく、少し頭痛がした。

「私も早く支度しないと…」


白居先生に真人のことをちゃんと知らせたら、あんな夢、見なくなるかな…


熱いシャワーを浴びながら琴はそう思った。












『クリスマスの予定は?』

『普通に塾です』

『家族でパーティーとかしないの?』

『そういうの、あまり興味のない家だから』