座ったままの琴。
握り締めた拳に涙がポタポタと零れていた。









『…あれっ?君だけ?』

『はっ…はい。そうみたいですね…』

『なんだ…オレ人気者だから、もっと集まるかと思ってたのに…』

『クス…』

『何か笑った?』

『だって、自分のこと人気者って言い切れるなんて、スゴい自信あるんですね』

『……』

『あっ、ごめんなさい』

『いや、自分で言わないと誰も言ってくれないじゃん…なんて』

『…そっか』

『そうだとも!』

『前向きですね、先生』

『気持ちだけわね!』

『ねぇ、先生』

『何?』

『外国文化研究部って何やるんですか?』

『……』

『……?』

『探さないとな。2人で出来ること…』

『べっ別に…2人で出来ることじゃなくてもいいじゃないですか!』

『…』

『これから部員…増えるかも…だし』

『……がいいな』

『えっ?』

『ずっと2人がいいな』

『………』

『3年6組、長谷川琴…』

『……?』

『何で今更、部活始めようとしたの?半年で引退だろ?』

『それは……』





先生が好きだからです―