「…毎日一緒でいいよ」
琴は耳元で囁いた。
私はもう、あなたを離せない…
どんな事情があって
どんな辛い目にあっても
真人、あなたを失うことに比べたら怖くないの…
離れたくないの…
嫌われても傍に居たい
こんな気持ち
初めてなんだよ……
『…生』
『……』
『先生…白居先生?』
『あっ…どした?』
『それはこっちの台詞。先生最近上の空だよね』
『そうか?』
『そうだよ。耳の遠いおじいさんみたい』
『コラコラ。お年寄りに失礼だろ』
『心配してるんだよ…』
『…そっか。ゴメンゴメン』
『返事は1回でいい』
『はい』
『先生、うんざりしてるの?』
『うんざり?』
『夏休み終わって随分経つのに、私が部活辞めないから…』
『そんなこと気にしてたのか?』
『だって、私がいなくなれば先生も部活から解放されるでしょ』
『解放されても仕事やらせられるだけだからココの方がいいよ』
『何それ。ズルいの〜』
『ズルくていいの。琴子のこと、十分利用させてもらうからな』
『…しっ…仕方ないなぁ』

