白い吐息


「バレたって?」

「私の部屋に白居くんがいること…」

青白い顔で琴が言った。

「マジ?」

「もぉ〜。真人が余計な挨拶するからよ〜」

「ごっ…ごめん」

髪をくるくる指に絡めながら困惑する真人。

「でも、見付かった相手が関口先生で良かったよ」

「良かった?」

「うん」

琴はカバンからノートを取り出す。

「何?」

「関口先生からのアドバイス。私、先生にみんな話したの」

「話したの!?」

「あの先生、勘がいいから自分から話した方が早いのよ」

琴はノートを開く。
そして、真人に差し出した。

「……?」

「読んで」

真人は渋々ノートを受け取った。

「一、学校近くを私服でうろつかない。
一、コインランドリーには行かない。
一、洗濯くらい彼女にしてもらう
一、外に洗濯ものは干さない。
一、長谷川先生が留守のときは部屋のドアを開けない。
一、食器位は自分で洗う。
一、心配をかけないように親にはまめに連絡する。
一、その他困ったことがあったら関口に相談する。

追伸、長谷川先生を大事にすること。愛があるなら…」

「あー!そこは声に出さなくていい!」

琴も真人も、ただ赤くなった。