白い吐息

琴の背中がゾッと奮い立った。

「そっ…そうですかね?」

「何、オドオドしてるのよ。今更でしょ」

「はっ…はぁ」

琴はお茶をたっぷり飲んで喉の渇きを潤した。
と、同時に落ち着くように動揺を流し込んだ。

「そうそう、白居くんていえば、さっき来る途中に会ったのよ!」

「えっ!?何処でですか?」

「だから、ここに来る途中よ」

「具体的には……?」

琴が恐る恐る聞いてみる。

関口先生は全て知ってるような目付きで琴の肩に手を置いた。

「まさか、よね?」

関口先生が琴の耳元で呟く。

「な…にが…です…か?」

「白居くん、普段着でコインランドリーの前に居たのよね」

「それって…人違い…じゃ…」

「だったら良かったんだけど、本人がさ…」

関口先生はどんどん顔を近付けてくる。

「本人…?」

「後は帰ってから本人に聞きなさい」


バッ…バレてる
何で?


琴は言葉を失った。





「あぁ、そうだよ。昼前にコインランドリーの前で関口先生に会ったから挨拶したけど」

家に帰ると真人が可愛い顔でそう話した。

「ふぁ〜」

琴はため息をついて座り込む。

「どしたの琴子?」

「関口先生にバレた」