白い吐息


「えぇー!追加も落選だったんですかぁ?」

落ち込む田口先生を見て、琴の口元は勝ち誇った笑みを浮かべた。

「ごめんなさい。当選したら一緒に行く約束してたのに」

わざとらしく語る琴。

「あぁ〜!優仁〜!!」

田口先生の雄叫びに、いつものごとく教師たちが振り向いていた。

「そういえば、田口先生って…千早くんに似てるね」

「えっ!?どこがですか?」

「空気読めないところ」

琴の逆襲に田口先生はヘロヘロになって凹んでいた。

「今日の長谷川先生って…スゴいS。上原くんみたい」

「それは有り難う」

琴は貴族のように不気味に笑った。


※アイドルグループCRYSTALのメンバー詳細等については、作者友人の咲姫作「MIRACLE」をご覧下さい。




「私はCRYSTALなら中原くんが好きだわ」

「えっ?関口先生もCRYSTALとか聞いたりするんですか?」

「何よその顔は。おばちゃんが興味を持ったらいけないの?」

「いえ…」

お昼休み、琴はいつものように保健室で昼食を取っていた。

「姪がCRYSTALのファンなのよ。だから、ついつい一緒にテレビとか観ちゃうのよね」

「そーなんですか」

「似てるわよね、上原くんと白居くん」