白い吐息

昼用の弁当をコンビニで買ってアパートに戻る琴。
やや緊張した手で鍵の開いてるドアを引くと、イキナリ玄関に真人が立っていた。

「びっ…びっくりしたぁ。どうしたのこんな所で?」

「今、会わなかった?」

「誰と?」

「郵便屋さん」

「郵便屋?」

琴は階段の方に目を向ける。

そーいえば、すれ違ったかな?
緊張してて気付かなかった


「で、郵便屋さんがどうしたの?」

ドアを閉める琴。

「コレ」

真人は郵便物を琴の顔の前にチラつかせた。

「直接持ってきたの?」

ポストは1階なのに…


「配達指定便。しかも重要」

意味深に真人が語る。

「指定…重要?」

「琴子って、CRYSTALが好きなんだよね」

まさか!―

ニヤニヤする真人を前に琴は目を丸くして輝かせた。

「クリスマスライヴのチケット!」

「みたいだね」

そう言って真人は優しく琴の手に封筒を乗せた。

「きゃ〜!待ってました!」

琴は弁当を置き去りにして子供のようにはしゃぎながらチェストに駆け寄り、引き出しからハサミを取り出した。

「…もう開封するの?」

琴のテンションに若干驚きながら真人が聞く。

「当たり前でしょ!席が大事なんだから!」