「…なんで…ここに…いるのかな…?」
「琴子が呼んだんだろ」
「…へ?」
「関口先生が琴子に頼まれたって言ってた。オレをここに連れてくるように」
真人は淡々と語った。
そーゆーことなのね…
「琴子が呼んだ訳じゃないの?」
「ぁ…えー?」
「もしかしてオレたち、関口先生にハメられた?」
ごもっとも!
勘のいい真人に心の中で返事をする。
「違う…私が呼んだの」
「ふーん…」
真人は納得いかない様子で気のない返事をした。
「…まっ真人に話があるの」
「話?」
「…とっ…とりあえず、座ろう」
琴は校庭側のベッドにきょとんとしてる真人を誘導した。
窓に背を向けてならんで座る2人。
「何、話?」
前を向いたまま尋ねる真人。
「あの……」
耳元に心臓があるかのように自分の鼓動を感じなから話し始める琴。
その目もまた、真っ直ぐ前を向いたままだった。
お互い顔も見ないまま数秒が流れる。
「やっぱり、オレの存在って迷惑?」
口を開いたのは真人だった。
「えっ?何で?」
ようやく琴が真人の顔に目をやった。
キレイな横顔はとても切ない表情を浮かべている。
「教室でさ、オレのこと避けてたみたいだったから」
「違うの!!」
慌てて大声を出す琴。

