『じっ…事故っ?』
トシ子さんは驚いていた





『はい…料理をしている途中に電話が鳴って包丁を持ったままテーブルの角に足をぶつけて転んで包丁が刺さったんです』





『あの人…とってもドジな人だから…何やるにも不器用でうぅ…』





『でも…一生懸命トシ子さんのために料理作ってケーキを用意してたんですよ』




『そんなこと…しなくても…』





『家庭をトシ子さんに任せっきりにしていたことが総一郎さんにとっては人生最大の後悔だと思っていました…もっと協力してあげればよかったって…』





『だから…退職してから家にいる間はいろんなことをしてくれていたのね…今まで何もしてきたことがないから勝手にいろんなことをやられると逆に手間がかかって…私はあの人を怒ってばかりいたわ…うぅぅ…』
トシ子さんの涙が…