『そうなんですか…』





なんか悲しい事件だなぁ…あの時会った総一郎さんの笑顔を私は思い出していた




『よし!じゃあ…そろそろ取り調べ室で見てもらえるかい?』





『はい…』
そして…取り調べ室へと移動した





『ガチャ…』
扉を開く





『失礼します…』
お辞儀をしてから中に入る




『初めまして五十嵐と言います…これから私が取り調べをしますのでよろしくお願いいたします』





『……』
怒っているトシ子さんは何も言わないで黙っていた





『すいません…右手を見せてもらえますか?』





黙ったままトシ子さんは素直に右手を出してくれた





私はそのヨボヨボの右手を両手で確りと握りトシ子さんを覗いた





私は深く深呼吸をして…
『ふぅー』
とトシ子さんの手をはなした