冷蔵庫の中にはカレーが入っていて、
お鍋を取り出して自分の食べる分だけとる。
お兄ちゃんってば全く、顔がいいうえに料理までうまいんだから。
女の子の敵だな。
これじゃあモテないはずだよね。
お皿に移すと電子レンジで温める。
本当はそんなに食欲ないんだけど。
食べなきゃ食べないでうるさいし。
でも
お兄ちゃんがいてくれるから私がいる。
いつも守ってくれた。
私が悲しい時も辛い時も
いつも手を握ってくれた。
「大丈夫だから、俺が美麗を守るから」
そう言ってくれた。
あの事件の時だってそう。
「お前は何も悪くないんだ。ただ間に合わなかっただけ。
お前は助けようとした、だから何も悪くないんだ」
そう言ってくれた。
そして今も―――
ひょっとしてお兄ちゃんが幸せになれないのは
自分のせいなんじゃないかなって思う。
私さえいなければお兄ちゃんもきっと―――


