お兄ちゃんは私と年が離れているせいか
かなりの心配症で。

ちょっとでも帰りが遅くなると
心配して電話をかけてくる。


さっきも携帯を見たら何度も着信履歴があって。

でもそれを知っててわざと電話を取らなかった。


いつからだろう?今みたいにピリピリするようになったのは。


小さい頃はそんなことなかった。


いつも優しくて、カッコ良くて。

私の一番大好きなお兄ちゃんだったのに。


私の心配なんかしてるからだと思う。


今まで誰かと付き合ったというのを
私は聞いたことがなかった。


別に私の事なんか放っておいていいのに。


お兄ちゃんには幸せになってほしい。


部屋着に着替えてリビングに向かう途中にある
お兄ちゃんの部屋の方を見る。


きっと心配、かけたよね。


「お兄ちゃん、ごめんね」

ドアの向こうにいるお兄ちゃんに聞こえるように言って
リビングへと足を向けた。



「疲れた」

思わず呟いてしまうほど体は本当に疲れていて。


ため息をつきながらキッチンに向かう。