優しい風が窓から入ってくる。
と同時に抑えていなかった教科書がパラパラとめくれていく。
まるで授業を無視するかのように。
午後の授業はどうしてこんなに眠くなるんだろう。
なんてそんなくだらないことを考えながら
先生の話を聞くわけでもなく、ただノートに書き込みを
していった。
どこからどこまでが最重要範囲なのか
それすら聞いてない私は本当に受験生なのかと
疑いたくなる。
退屈な授業が全て終わり、先生と会わないようにして急いで
帰る支度を始めた。
「じゃあまた明日ね」
真姫に別れを告げて歩き出したその時
「こんにちは」
校門を出た所で声をかけられた。
声の方を振り返るとが男の子が笑顔で私に手を振っている。
通る人達、特に女の子の注目を集めながらも
それに全く気にすることなく笑顔で話かけて
きた男の子。


