先生達と過ごした1時間、
真姫は最後まで私の事を“イノリ”と呼んでくれた。
一体、真姫はどうして私を助けてくれたんだろう?
保健室を出て教室に向かう間。
聞けるなら今しかないっていのに
なかなか自分から口を開く事は出来ない。
すると
ただ黙って下を向きながら歩いていた私に
「あたしは美麗の事情は知らない。
アイツにちょっと頼まれただけだから」
真姫が沈黙を破った。
アイツ?
「あいつに頼まれたって...」
「あの女っタラシよ。もし海咲先生に美麗の名前を聞かれたら
他の名前使って適当に言っとけって、一体どんな神経してるんだか..」
「榎木先生...」


