桜の花が舞う頃に



「どうして」

思わず出た声が震える。


「あんたが来ないから心配して見に来たのよ」

「あぁそっか、ごめん」

「ごめんって。で、今からサボるつもり?」

「えーっと君は?」

私と真姫の会話の間に入って来た海咲先生が
不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


「私、この子と同じクラスの芝崎真姫です」

ニコッと笑った笑顔がとても可愛らしい。


「こんにちは、芝崎さん」



どうしよう、真姫が来たのはいいけど。


私の名前がばれたりしたら


そう思うと急に落ち着かなくなる。


きょろきょろしている私に真姫は

一つウィンクをしてから


「そうそう!この子ちゃんと自己紹介しました?」