これ以上二人っきりにはなれない。
お辞儀をして反対を向こうとした私に
「僕は君に嫌われているのかな?」
少し寂しそうな声が聞こえた。
「嫌いなんて、そんな事ないですよ」
むしろその反対。
「だったらもう少しここで君と話したい。ダメ?」
「ダメなんてそんな事」
「じゃあ決まり!」
楽しそうな声が聞こえて
それが更に胸に突き刺さる。
「でも授業始まっちゃう」
「いいよ、1時間くらい」
意外な発言に思わず笑ってしまう。
「先生がそんな事言っちゃっていいんですか?」
「いいんだよ。僕は君の先生じゃない」
え?


