この前までは学校の中は寒かったのに。
今は気持ちいいくらいの丁度いい温度。
むしろ暑いとまで感じるほどだ。
ふと窓の外を見ると、下級生達が体育の用意をしていた。
楽しそうに、無邪気に。
私も、あんな風に楽しみたかった。
みんなと仲良くしたかった。
でもそれは叶わない願い。
「失礼します」
ガラガラとドアを開けると
「こんにちは、生徒さん」
海咲先生が椅子に座って朝と変わらない笑顔で私を迎えてくれた。
どうして、ここにいるの?
急に現れてどうしていいのか分からなくなる。
少しだけ気持ちを落ち着かせて
「こ、こんにちは」
そう挨拶をした。
中には...入れない。
「あの、先生は・・」
「一応、僕も先生なんだけど」
何も知らずに屈託のない笑顔を見せる先生。


