今朝の桜並木はいつもと違って寂しさを
醸し出していた。
こんなにきれいな花を咲かせて。
誰もがきっと見とれるくらいだというのに。
見ていてこんなにも悲しく、切ない気持ちになるのは
きっと今朝見た夢がまだ脳裏に残っているからなんだと思う。
神様が言ってるんだ。
“これ以上は近付くな”って
そう私に教えているに違いない。
だから私にあんな夢を見させるんだ。
一歩一歩桜並木を通る度に感じる胸の痛み。
下を見ながら歩いていると
「おはよう」
後ろから聞こえる声に振り返ってしまう。
ここで無視出来ないのはきっと私が弱いから。
「お、はようございます」
ダメだ。
先生の顔、まともに見られない。


