声が聞こえる。
これは榎木先生?
「あぁ。学校が終わってから行こうと思ってるよ」
質問に答えたのは
海咲先生だった。
「そうか。二人に宜しくな」
「あぁ。陸斗」
「何だよ」
「ありがとう」
海咲先生はそう言うとガラガラとドアを開閉した。
静かな部屋が戻ってくる。
温かな日差しが窓から入ってくる。
「今日はアイツのお袋さんの命日なんだ」
カーテンの向こう側から声が聞こえた。
何もかも全て知っているような言い方。
そしておそらくその声は私に向けられたものらしい。
この人は全部分かってるのだろうか。
「安心しろ、お前が“美麗”だってことアイツには喋ってねーよ」


