「マスター俺にも同じのちょうだい」


そう頼みながら少しだけ高い椅子に座る。


「で、見つかったか?」

興味津々な顔で覗きこんでくる。


「まだ」

そう答えると

「能天気なヤツ~」

テーブルに置いた煙草に手を出す。

「うちの学校はセキュリティーが厳重に管理されてるらしいな」

「あーお前パソコンで侵入しようとしたのかよ」

「生憎、ハッカーみたいな技は持ってないから出来なかったけど」

「今の学校バカにすんなよ」


ケッと笑って煙草に火を付ける。


「ってことは、やっぱ自力で捜すんだな」

「当たり前だろう?それしか手はないんだ」

「難しいね~」


コイツは他人事だと思って。


「お前は見たんだろう?彼女を」

「あー見たよ。でもな、めちゃくちゃ変わっていたからな」

陸斗の言っている意味が分からなくてつい首を傾げると

「すげー美人になってる」

顔を近づけてぼそっと呟いた。

「くだらない」