部屋の中には時代を感じさせる椅子と
机や棚そして小さな冷蔵庫。
ここに赴任してまだ数日しか経っていないというのに
ここが自分にとってなくてはならない
居場所になりつつある。
職員室のあの独特な雰囲気には
未だに慣れる事が出来ない。
冷蔵庫からお茶を取り出しながら
ふと先程の生徒を思い出した。
彼女に悪い事をしたとは思うけれど。
あれが一番効果ある。
多分まだ傷は浅い方だろう。
今のうちにはっきり言ってしまって
良かったんだと心の中で納得する。
僕がズタズタに傷つけるのはたった一人だ。
麦茶の入ったカップを机の上に置き、
もやっとした空気を入れ換える為に窓を開けた。


