半ば強引に頼んだお願いは

数年後、思ってもない形で叶えてくれた。


だから今

俺はこうしてここにいる。



「見つかりそうか?」

「そんな今日来たばかりだろ?」


せっかちだな、相変わらず。

でもこういうところ、何も変わってなくて
嬉しくなる。


「愁夜俺は..」


「分かってるよ、陸斗」


お前の言いたい事は十分理解してるつもりだよ。


俺が知っている中で

多分一番に優しい心を持っている。

みかけはあまり良くなくて

昔から先生に注目されていたけれど。

でも本当は

困ってるヤツが放っておけなくて

でも怒るときは怒る、

ものすごくいい奴なんだよな。


俺とは違う。

俺には勿体ないくらいの

いい奴。


「ありがとう」