桜の花が舞う頃に



時刻は間もなく約束の時間を示そうとしている。


腕時計で時間を確認すると


今日の分の仕事を急いで片付けて席を立った。



「先輩それじゃあそろそろ行きますね」

「あ、そうか、今日も行くんだっけ?」

「はい、すみません」

「いいよ、ゆっくりね」

「はい。それじゃあお先に失礼します」


先輩にお辞儀をしてスタッフルームを出た。



ここ、白百合苑に就任して三度目の春がやってきた。

介護の仕事は昔から興味があったし、

何よりもこの就職難の中

仕事が決まったのは奇跡に近い。