ギーッと音を立てて開いた扉の先には


真っ白い布を被った人が眠っていた。


恐くて手が震えるけれど、陸斗先生が近付き

ゆっくり布を外す。


そこには


本当に眠っている愁夜さんがいた。



「しゅ、やさん..」


手を顔に伸ばすと、冷え切っていて

もう温かさを感じない。


これが本当なんだと、教えてくれる。


その冷たい手を両手で包みこむ。


「会社からの帰り路、お前に良く似た女の子が車道に飛び出したんた。
それをコイツは助けた」


「..っく、いや..」

「助かった人が言っていたよ、こいつが息を引き取る時に言ったそうだ。
“これでやっと迎えに行ける”ってな」

「ひっく..うぅっ..」

「バカ、だっ、バカだよ、な」

「愁夜、さん?み、て?指輪してるんだよ?」