真姫は陸斗先生順調にいっていて、
真姫が大学入学と一緒に結婚をするそう。
毎日喧嘩したとか、あーでもない、こーでもない
なんて話を言いながら、でも幸せそうな顔を浮かべている。
いつも歩く桜並木も、少しずつつぼみを増やし、春の準備へと取り掛かっている。
愁夜さんと出会ってもうすぐ1年。
いろんな事があった。
ねぇ愁夜さん?
春が来るよ?またあの桜並木に花が咲くんだよ?
綺麗な桜の花びらが―――
卒業式を明日に控えた今日は学校も午前で終わり、とぼとぼと帰る。
こうして一人で歩いていると、どうしても考えてしまう、愁夜さんの事。
優しくて温かな笑顔。
大きくて安心する手。
でももう手を伸ばしても叶わない。
あの人と気持ちが通じる事はもうない。
だって愁夜さんにはもう新しい彼女がいる。
何度も電話しそうになると愁夜さんの言葉が思い浮かんだ。
新しい彼女がいる、
それが私の行動を辛うじて止めてくれた。


