数か月前のある日。

いつも通りに仕事を終えて家路に着いた俺に

ヤツは直接言いに来てくれた。



「久しぶり」

そんな言葉も忘れて。


陸斗とは

一緒に進んだ大学の卒業式にある約束をした。

約束、というよりはお願いに近いものかもしれない。


半ば強引だったから。



最初は絶対に頷いてくれなかった。

「そんな事をしてどうするんだ?」


普段のヤツとは違う態度に少しだけ驚いたのを
今でも覚えている。


陸斗のまっすぐな瞳に、何度も怯みそうになったな。


でも俺はどうしてもやり遂げたかった。

いいや、やらなければならなかったんだ。


だから人生最大の覚悟をして陸斗に頼んだ。


「みれいを捜して欲しい」と。