思い通りにならないのが人生。
それは十分分かっているつもりだ。
でも俺が望んだのはたった一つなんだ
他の何もいらない、
ただ彼女が俺の傍で笑っていてくれればいい
そう思っていたのに...
「陸斗、俺は..俺はどうしたらいいか分からない」
美麗と別れた後、俺は家に帰る気もなく
ふらふらっと陸斗の住むマンションへと向かっていた。
陸斗は中学の時からここに住んでいる。
父親と折悪い陸斗は家を出て歳をごまかし、中学のころからバイトをして
一人で暮らしていた。
そして今も―――
「何でだよ、せっかく気持ちが通じたと思ったのに..」
俺達の気持ちが通じた時、陸斗は一番に喜んでくれた。
なのに――
「結局これが運命なんだよ。きっとこれが罰なんだ。彼女をずっと
怨み続けた、罰」
復讐、なんて考えて、美麗を殺そうとして..
それでも愛したいなんて、ムシの良すぎる話しだったんだ。
復讐なんて考えたから
自分に返って来た。


