「私は..私は愁夜さんが好き」

ぽつりと静かなリビングに呟く。

顔を上げるとお兄ちゃんもお母さんも驚いた顔をして私を見ている。


「そんな兄妹だって知ったからってどうする事も出来ないよ」


常に膨らんでいるこの気持ちを

一体どうやってしぼませたらいいの?

そんな方法なんてないよ


「美麗良く聞け」

「誰に何を言われたって私は本当に本気で好きなの!!」


初めて好きになった。

大切な人って呼べる人が出来た。


たとえそれが半分血のつながった人であっても...


私には関係ないよ...


「あ、美麗!?」

ソファから勢いよく立ち上がり、リビングを出る。

真姫の声もお兄ちゃんの声も無視して

家を飛び出した。


携帯から一度だけしかかけていない愁夜さんの番号を引っ張り出して
電話をかける。


愁夜さん、愁夜さん愁夜さん!!


でも

「おかけになった電話は―――」