真姫の背中に腕を回してきつくきつく抱きしめる。


「とにかくここで泣いても仕方ないし、美麗の家に行こう」


真姫に肩を支えられてゆっくりと家に向かう。

その間も真姫はずっと私の手を握ってくれた。

それが少しだけ私を安心させる。



さっきまで家の中には誰もいなかったはずなのに。

今は靴が二つ並んでいる。


お母さんだ、お母さんが帰ってるんだ。

それともう一つ

これはお兄ちゃんのスニーカー


靴を脱いで上がる。

リビングのドアノブに手をかけようとした時だった


「そう、来たの、海咲愁夜が」

お母さんの声がドア越しから聞こえる。

そっかお兄ちゃん、お母さんに話してるんだ。

私と愁夜さんの事


「それで全て話したんだ、俺と美麗、それに海咲家の兄弟の繋がりを」

「向こうは知らなかったのね」

「あぁ母親からは何も聞かされてなかったらしい」

「そう」


何を..言ってるの?何を話してるの?

繋がりって何?

私達に何の繋がりがあるっていうの?


「兄妹なんて、知りたくなかったよな、アイツも」