考えていると愁夜さんが自分から名乗り出た。


「海咲..愁夜」

もう一度確認するように呟くお兄ちゃん。


「あのね、お兄ちゃん!」

前にあるお兄ちゃんの腕を引っ張ろうとすると


「お前何しに来たんだ?」


さっきよりも大きな声で叫ぶ。


「何しにって、この人は私を送ってそれで...」

「それで、何だよ」

私を見つめる冷たい視線に恐くて何も言えなくなる。


「それで..」

「お前まさか何も知らないわけじゃねぇだろうな、俺達の事」

「え?」

「お前俺達の名字知っててコイツに近付いたんだろ?」

「名字?」

「ちょっとお兄ちゃん何言ってるの?名字なんて関係ない」

「関係ない?それはどうかな..」

お兄ちゃんの言葉に愁夜さんの顔がだんだん青ざめていく。

そして..