先生はきっと私が嫌いになったんだ。
だから私の前から姿を消したんだ。
すぐに考えればそんな事分かるのに
未だに信じたくない自分がいる。
何処かでまだ好きでいて欲しい自分がいる。
そんな事叶うわけないのに...
「アイツにも少しだけ時間をやってくれ。色々と
気持ちの整理もしたいだろうしな」
「そうですよね」
「ずっとお前に復讐することしか頭になかったんだ。普通にまた好きな女として
見るのには時間がかかるってことだよ」
「はい」
そうだ。簡単になんて割り切れない。
そんな割り切れるほどの気持ちじゃない。
「陸斗先生は真姫とうまくいってるみたいですね」
最近真姫の笑顔が前よりも多くなった気がする。
「あぁ、まぁなでも喧嘩ばっかでよ」
「喧嘩するほど仲がいいって言うじゃないですか」
「まぁな~今日も放課後...っといけね、もう時間だ」
「何かあるんですか?」
「教頭に呼び出しかけられてんだよ。じゃあな、あんま思いつめんなよ」
「ありがとうございます」
立ち上がってお辞儀をすると先生はポンポンっと優しく頭を撫でて
それから校舎に向かって歩き出した。


