呆れながら私を見る真姫まで
何故か瞳を潤ませていて
二人同時に抱き合う。
どれくらいそうしていたんだろう?
「美麗、大丈夫か!?」
ノックをすることなく入って来たのは
「お兄ちゃん!?」
「お前が怪我したって聞いてすっ飛んできたんだ」
ベッドに近付くと
真姫から離れた私をきつく抱きしめた。
お兄ちゃんの肩が震えてるのが分かる。
そっか、お兄ちゃんにも心配かけちゃったんだ、私。
「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて」
「ただのかすり傷なので、大丈夫です。今日は
安静にしてあげて下さい」
「ありがとうございました」
お兄ちゃんがお辞儀をしてから私の肩を優しく抱いて
一緒に歩いてくれる。
そうだ、一番大事な事を忘れていた。
「陸斗先生、あの、海咲先生は」
「あぁ、愁夜なら大丈夫」
「海咲..愁夜?」


