視界がはっきりすると、陸斗先生と

真姫の顔が近くにあって少し驚いてしまう。

嗅ぎ慣れた匂い

ここ、保健室だ。


「私、死んでないの?」

飛び上がって発した私の第一声に二人は顔を見合わせて笑う。


「腕を擦りきっただけじゃ人は死なねぇよ」

「美麗、あんた覚えてないの?」

「真姫、どうしてここに?」

「俺が呼んだんだ」

「でもどうして」

「アイツが助けたんだ。お前をな」

「アイツって海咲先生、ですか?」

「あぁ」


先生に助けられた。

死ななければいけない私が?


「もう死のうなんて考えるなよ」

「でも」

「きっと愁夜もそれを望んでる」

そう言うとポンっと私の頭を優しく撫でた。


嘘だよ、

「愁夜先生がそれを望んでるわけないよ」

「じゃあ何で助けたと思う?」