「ころ、して!!早く!!」


先程までの睨んだ少女は何処にもいなく、

今目の前にいるのは涙を流しながら訴えている少女。


「早く刺してよ!そしたら先生が楽になるんでしょう?」

そう言いながらカッターナイフに手を近付ける。



いいんだ、愁夜。今此処で殺したっていいじゃないか。

お前がずっと憎んでいた女なんだぞ?

復讐するためにきたんだろう?


殺すのを目的で..


分かってる、そんな事は分かってるんだ。

でも

どうしてだ、何故だ


彼女にこの刃物を突き付ける事が出来ない。


「俺は...俺は」


自問自答していたその時


ガラっとドアが勢いよく開き


「美麗は見殺しになんかしてねぇよ!!!」


陸斗の大きな声が響いた。