「は?どういうことだよ。それ!」



放課後。

静かな保健室に響く自分の叫び声に少し驚きながら
電話をさらに強く握る。


相手は..俺の昔からのキライな人物。


「話しがあると言ってるんだ。その時にお前に頼まれたくだらない事件の
詳細も教えてやろう」

新聞社の社長ってどうしてこう偉そうなんだか..
それとも自分の親だからそう思うのか?

怒りが込み上がってとまらない。


「くだらなくて悪かったですね」

「まぁいい。お前からの電話は久しぶりだったしな。で。
どうするんだ?来るのか?来ないのか?」


本当はすごく嫌だ。

出来れば二度と会いたくない人間だし。


でも愁夜の為なら...アイツが解放されるなら

「...行きます」

小さな声で返事をする。


クソ

頼むのすら嫌だったのに。

また会わなければいけないなんて


「そうか。じゃあ明日待ってる」

そう言うと俺の声も聞かぬままあっさり電話を切りやがった。


遂に、知ることが出来るのか。

調査を頼んで数カ月。これで誤解が解けるかもしれないと思うと

少しだけほっとする。


「後は愁夜が早まったマネをしてくれなければ..」

再び呟きながら、コーヒーをつぎに立ち上がった。