遠くの方で誰かがこっちに向かって手を振ってる。
一度真姫と目を合わせてからもう一度見ると
「俺だよ俺~~~!」
恭哉くんがやってきた。
「あ、あんた!!」
あからさまに嫌そうな顔をする真姫。
「学校に行こうとしたらいたからさ~」
ハーハ―と息を少し切らせて話す。
「ごめん、今日は真姫に大事な話があるから恭哉くんとは...」
「それってあの先生の事?」
「ちょっと!何であんたがそんな事知ってんのよ!」
「あ、俺は少ししか知らないっつーか、お前誰だよ?」
「はぁー?先に名乗るのが礼儀でしょ?」
いきなり始まった口げんか。
しかも二人とも会ったのは一度切りなのに
何だか仲良さそう。
でも..こんな事放っておいたらきっといつまで経っても
話が出来ない。
「説明するから静かにして!」
私の声にぴたーっと話を止める二人。
少し似てるかも..
「こっちは真姫、私の友達」
「どうも」
「それでこっちは..」
「恭哉!!」
二人が交互にお辞儀をする。
「自己紹介も済んだし、聞かせてもらうね」
真姫の声にゆっくり頷いて
それから一つ一つ話を始めた。